中学生がはやく覚えておきたい前置詞3つ「at/on/in」

2020年12月8日

中学で英語を習い始めて多くの生徒が悩むのが前置詞の存在。日本語の助詞もしっかりと理解できていない状態で前置詞を習うと、前置詞をどう扱っていいのか分からなくなります。また、そもそも前置詞が必要なのかどうかということもわからないという人もいるでしょう。ここではそもそも前置詞をどう使うのかということと、重要な前置詞、at, on, in, の使い方を説明していきます。

そもそも前置詞って何?

前置詞というのはその名前の通り、「前に置く詞(ことば)」です。名詞の前において名詞の役割を変えます。
日本語で似た役割をするものとして、助詞があります。助詞は「は」「を」「で」などの言葉を補足するものです。
英語の場合には役割によって助詞の代わりに前置詞が必要だったり、必要なかったりします。

英語の前置詞には、
at, on, inの他にも、to, from, with, of, for, under, into, by, along, acrossなどを中学で習います。

そもそも名詞って何?

名詞というのは、ものやことなどの名前のことです。
日本語の場合、「が」「を」「に」「へ」などを付けても形が変わらず言葉としておかしくならないものです。

名詞の例としては、イヌ、学校、クラブ、ボストンなどがあります。

「イヌが」「学校で」「クラブに」「ボストンへ」など、後ろに助詞を付けても形が変わらず意味が通じるものです。

名詞というのは単独で使う場合には、「主語」「目的語」(「補語」)のどれかになります。
主語や目的語の説明としては以下のページでも紹介しています。

主語動詞目的語様態場所時間
そのまま使える使えないそのまま使える前置詞を伴って使える

前置詞で場所を示す場合にはその場所が話し手にとって具体的にどうイメージできるのか、ということがポイントになります。

最も大切なのは、「atは点」「onは線か面」「inは範囲や立体」という単位をきちんと覚えることです。

at < on < in
ときちんと覚えておきましょう。

地図アプリでわかる 場所のat/on/in

場所を表現する前置詞を理解するためにはモバイルやPCなどでよく使う地図アプリを使うときを想像すると良いでしょう。
地図アプリで検索したときにどのように画面が表示されるのかということを考えると簡単に識別することができます。

地図上のある「地点」を表すat

at Shinjuku station

atの場所のイメージは点です。場所の場合には「地図上でこの地点だよとピンで指される場所」を想像すると良いでしょう。例えば、「新宿駅」と地図アプリを使って検索すると「ピンで表現される状態」で表現されます。一般的に検索する、場所を表現する場合はatを使用します。

たとえば、学校、病院、お店、駅などはatで表現できる場所になります。
at school
at the hospital
at the shop
at the station
など

点では表せない場所、線のon、範囲のin

on Route 1

場所を表現する前置詞のうち、地図アプリなどで線で表現されるものはon、範囲で表現されるものはinを付けて表現します。

場所の中には、地図アプリを利用した際にピンでは表現できないものもあります。例えば道です。仮に「国道一号線」と検索してみると東京から大阪まで伸びる道路が表示されます。
atで表現する目的地になりうる場所などとは違い、ここからここまで、という線を表現します。
「ある場所からある場所までの道が色で塗りつぶされている状態」です。このように線で表現する場所の場合には、onを使います。
そのため地図アプリでよく使う経路機能で表現されるような「学校への道」や「駅までの経路」などもonで表現することができます。

on Route 1
on the way to school
など

in Tokyo

またピンではなく範囲で表現されるものもあります。例えば地域や国を検索した場合です。東京都と地図アプリで検索した場合には、東京都にあたる場所が「線で囲まれている状態」になります。このように範囲として表現された場所の場合には、inをつかって表現します。

in Japan
in Tokyo
など

at/ on/ in のうちふたつで表現できる場所

場所の中にはatでもon/inでも表現できるものもあります。その場合は基本的にonかinのどちらかだけを使用することになります。

onの元のイメージは線や面です。そのためonの後ろに置く名詞は、「何か平たいもののイメージ」です。
一方、inの元のイメージは立体です。箱のイメージをしてみるといいでしょう。平面だけでなく、奥行きも高さもある「三次元の立体のイメージ」をしてみると良いでしょう。

自分もしくは相手の周りに見えない透明な直方体のキューブがあることを想像します。そのキューブそのものを表現する場合にはinをを使います。そのキューブの前後左右上下の一面(もしくは複数面)を表現する場合にはonを使います。

例えばフロアの場合にはonを使います。フロアというのはもともと建物の床のことを表現しているからです。床はあなたの周りの下の面だけを表現しています。そのためinではなくonを使います。

また、あなたの左側という表現の場合にもonを使います。あなたの左側というのはあなたの周りにあるキューブの左の面を指しているからです。そのためon your leftという表現になります。

on the 2nd floor
on Honshu
on the moon
on the street
on your right
など

一方で建物のように全方向を囲まれている場合にはinを使います。
そのため、たいていの建物はatもinも使うことができます。atの場合には地図のように俯瞰的にとらえたときの地点を、inの場合にはその建物の中のイメージを表現しています。

例えば、同じ「新宿駅にいる」という表現をatとinでした場合に、atの場合には新宿駅という地点にいることを示しているのに対して、inの場合には新宿駅の中(おそらく駅の構内か駅に付随する商業施設の中)にいるという説明になっています。

時間を表現するときに使うat, on, in

訳を中心にした教え方の場合「atは~で」などという説明もありますが、日本語の助詞と英語の前置詞は一体一ではありません。日本語でどうなるかということを覚えるよりもどういうときに使うのか、というイメージを覚えておくことが重要です。

時刻は一日の中のひとつの点

at, on, inはセットで以下のように覚えるといいでしょう。

at 点で表現できるもの 地図上で点で表現できる場所 時刻
on 線や面で表現できるもの 地図上で線のもの 一日以内
in 立体で表現できるもの 中に入ることができるもの 二日以上連続

前置詞を使った時間の表現のポイントは1日という線

英語の時間の感覚として覚えておいた方が良いのは、一日を一本の線だと考えることです。

7月20日であれば、7月20日の午前0時から午後12時までを一本の線と考えます。

時刻の場合にはその線の中の一点を表現していることになります。そのため、時刻はatで表現します。

難しいのはonとinの違いです。

とにかく覚えてほしいのは「onは一本以内、inは二本以上連続」でということです。


いくつか例を挙げてみましょう。

たとえばJuly(七月)の場合、七月というのは7月1日から7月31日まで31日間連続してあります。2本以上(2日以上)二本以上連続してあるため、inを使いin Julyという形になります。

一方7月20日と表現したい場合7月20日が次に来るのは365日後になるので連続していません。そのためonを使い on 20 Julyという形になります。

一日は1本の棒

他の時間に関してもこのことは当てはまります。

spring(春)や2020(2020年)などの場合にもinを使います。春は一日だけ来るものではなく2日以上連続しているからです。また年号の場合にも365日間連続しているためinを使います。

in (the) spring
in 2020

しかし、springの場合、onが付くこともあります。もちろん単体でのspringの場合には上記のようにinを使います。しかし、a spring eveningのように「ある春の夕暮れ」などとなった場合にはonを使い、on a spring eveningとなります。

これは「ある春の夕暮れ」は2日以上連続では来ないからです。

「ある春」であれば2日以上連続していますが、「ある春の夕暮れ」だと2日以上連続していません。そのため同じような単語に感じられますが違う前置詞を使うのです。

the morningの場合にも同じようなことが言えます。
the morning、単純に午前中を表現する場合にはinが使われ、in the morningという形になります。

なぜかというとthe morning午前中もしくは朝というものは毎日来るものだからです。

the early morning(早朝)の場合にはinを使ってin the early morningになりますが、Sunday morning(日曜の朝)の場合にはonを使ってon Sunday morningとなります。これは「早朝」の場合には毎朝存在するため、2日以上連続のinを使うのに対して、「日曜日の朝」というのは間に6日間空きます。2日以上連続して日曜日が来ることはないため(来てくれたらうれしいですが)、onを使うのです。

他にも中学生がよく間違える紛らわしいものもいくつかありますが、基本的には2日以上連続なのかどうかという判断方法で解決することができます。

時間の副詞扱いになる4種類のパターン

英語をある程度勉強し、語順や品詞などのパターンをある程度覚えてくると疑問になってくることがあります。

それは名詞扱いなのか副詞扱いなのか、という違いです。

名詞の場合には単独で「主語」「目的語」になります。また前置詞を伴った場合に場所や時間などのパーツとして利用することもできます。

一方で副詞は「主語」「動詞」「目的語」以外のパーツに使うことができます。
(文のパーツについては「初心者向け、一般動詞の使い方(中学一年生レベル)」を参考)

 主語動詞目的語様態場所時間
 何がどうした何をどのようにどこでいつ
名詞×
副詞×××
※ △は前置詞を伴うことによって利用可能

名詞と副詞が使える箇所の原則は上記の表のとおりです。
しかし、早い段階で習う単語にも関わらず、例外でどちらにも使えるものがあります。

その単語とは、前回、今回、次回、毎回の意味を持つ単語です。

 前回今回次回毎回
yesterdaytodaytomorrowevery day
last weekthis weeknext weekevery week
last monththis monthnext monthevery month
last yearthis yearnext yearevery year
など

もちろん後ろにくる単語がここに挙げた名詞以外でも、時間を表す名詞であれば同じように前置詞なしで扱うことができます。

last summer
this afternoon
next Sunday
every morning
など

逆にそうした単語でなければ、名詞で時間を表現するのに前置詞が必要になってきます。

at the moment
on Sundays
in the morning
など

過去形や未来形を習ったあと、というのはこうした間違いをしやすくなる傾向にあります。そのため、「前回」「今回」「次回」「毎回」を表現するにあたっては前置詞が必要ないということをしっかりと覚えておくようにしましょう。



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