Easy come, easy go. その意味と「悪銭身に付かず」との違い
2021年3月19日
日本の有名な歌手B’zのタイトルにもあるこのフレーズ。英語圏でもさまざまなアーチストが曲名にしていたり、映画のタイトルになっていたりもしています。日本語ではよく「悪銭身に付かず」と訳されることが多いです。
Easy come, easy go は何が省略されているのか
非常に省略されたフレーズになっていて、省略せずに説明するのであれば、
When something is easily obtained, it is typically lost just as easily.
簡単に得ることができるものは同じように簡単に失ってしまう。
という意味です。
もとのフレーズを利用して、省略せずに表現するのであれば、
As something comes to you easily, it goes away easily.
とでもなるでしょうか。
お金にしても、知識にしても、人間関係にしても簡単に手に入れたものはすぐになくなってしまう、という文化を問わずに人間が普遍的に感じているものを4語という極限に省略したフレーズで表現しています。
日本語のことわざの「悪銭身に付かず」との違い
日本語の「悪銭身に付かず」という表現が、道徳的で戒めの意味を含んでいるのに対して、英語のEasy come, easy go.にはポジティブな意味やあきらめの態度としての意味合いが含まれているのが大きな違いです。
「悪銭身に付かず」には「ギャンブルやばくち的な商売でお金を稼いでも、残らず使ってしまう(ので真面目に働きましょう)」という( )内の意味が暗示されているのに対して、
“Easy come, easy go."には「簡単に手に入れたものだからすぐなくなる(のはしょうがないよね)」というあきらめやあざけりのニュアンスが含まれていることがあります。
ネイティブが Easy come, easy go. というフレーズを使うシチュエーション
- せっかくカジノで一攫千金で得た大金を、そのまま使ってしまった。Easy come, easy go だね。
- 彼女は自分で働いてお金を稼いでいないので、買ってもらった新車を簡単にぶつけて廃車にしてしまう。Easy come, easy go だね。
- 今の仕事にはなりゆきで就いたから、仕事がなくなっても落ち込まない。Easy come, easy go だよ。
- 彼女は投資に関して、 Easy come, easy go の気持ちで取り組んでいる。なので多少財産を失っても気にしない。
Easy come, easy go.を使ってもいいシチュエーション
“Easy come, easy go."というフレーズは非公式な言い回しで、あまりフォーマルな場では使われません。公式の場で使うような格言や金言とは異なった扱いで、比較的フランクな表現として使われます。
Easy come, easy go.の起源は?
数十年に渡って使い続けられているフレーズですが起源ははっきりしていません。
古くは1600年代はlightly come, lightly goやquickly come, quickly goなどのフレーズで使われていましたが、1800年代ごろから現在のeasy come, easy goというフレーズに変化してきました。
一説によるとこのことわざというのはもともと紀元前の中国で使われていたフレーズから来ているという説もあります。
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