A change is as good as a rest.(変化は休息と同じくらい良いことである)

2021年8月22日

A change is as good as a rest.

イギリスの格言より

変化は休息と同じくらい良いことである

第二文型
主語a change
動詞is
補語as good as a rest

19世紀初頭のヴィクトリア時代には使われていたと考えられているこの格言。詩の中に使われていたり、シャーロックホームズシリーズで有名なコナンドイルの作品の中にも登場したりするフレーズです。

 

非常に簡単な単語と文の形でできているため、中学二年生終了時であれば訳せるはずです。
比較級のところで習った、as ~ asの文法が使われていて「同じくらい」という意味になっています。

同等を表すas~as…

as ~ asを訳すポイントは二つのasと後ろのasよりも後ろの部分を省略して文全体を見てみること。
今回の
A change is as good as a rest.
という文を上記のように省略してみると、

A change is good. (変化は良い)
という文になります。

これにas ~ asを付けることによって後ろの部分と同じくらい、という文になります。
今回の場合省略されているものをすべて書くと

A change is as good as a rest is (good).
となります。
「変化は良いことである、それは休息するのと同じくらい(良いこと)である」という文です。

比較級や最上級、as ~ asの文を訳すときには省略されているものが何かということをきちんと意識すると分かりやすくなります。

日本人が誤訳しやすいnot as ~ as …

よく中学生に英語を教えていると誤訳することが多いフレーズとしてnot as ~ as …があります。
どう誤訳するのかというとご想像のとおり「…と同じくらい~ではない」と訳してしまうのです。
正しい訳は「…ほど~なわけではない」となります。

どうして「~と同じくらい…じゃない」と訳してはいけないのか

こうした誤訳が発生するのは常に「not」を「~じゃない」と考えていることが原因にあります。
~じゃないという意味には「≠(ノットイコール)」の意味もありますが、場合によっては「<(小なり)」の意味になることもあります。

次の例文について考えてみると良いでしょう。
I cannot speak English very well.
「私はとても上手に英語を話すことができない」
≒「私は英語を話すことはできるけど上手ではない」(私の英会話力<上手)
となります。

同じように
I cannot speak English as well as you (can).
を訳してみる場合、

×「私はあなたと同じくらい英語を上手に話せない」
上の文だと二通りの意味が考えられるため、日本語訳としては好ましくないでしょう。
1.(私の英会話力=あなたの英会話力=下手)
2.(私の英会話力<あなたの英会話力=上手)

○「私はあなたほど上手に英語を話せない」
(私の英会話力<あなたの英会話力=上手)
そのため、多くの学校の教科書の訳例には
not as ~ as … 「…ほど~ない」
と書かれているのです。

否定の使い方については以下の記事で詳しく紹介しています。

まとめ

人間にはコンフォートゾーンというものがあります。その中にいることによって人間は快適さ(comfort)を感じます。現状から変わらず、できるだけその中で生きていこうとするのです。

それは人間関係もそうであり、また仕事や趣味、学習などでもそうなのです。何かを変化させようとすると、そのコンフォートゾーンの中に戻ろうとする性質が働きます。

しかし、新しいことをしなければずっとそのコンフォートゾーンから出ることはできません。

コンフォートゾーンの外には「未知なる刺激」が待っています。ギリギリコンフォートゾーンから出るくらいの場所にあるものを経験することは良い刺激としてコンフォートゾーンを広げる役割を果たします。一方で、あまりに自分のコンフォートゾーンから離れたことをすると危険であったり、また恐怖を感じて、コンフォートゾーンの中に戻ってきたりしてしまいます。場合によってはコンフォートゾーンが前より狭くなってしまうかもしれません。

 

変化というのはそのゾーンを広くする役割があります。変わること、新しく何かをすることを恐れず自分の殻のほんの少し外側を日々踏むことによって、そのゾーンが広くなっていくのです。

学習も一緒です。変化すること、新しく学ぶことによってより広くより深く学ぶことができます。日本語という殻を破って、英語を利用することによって、今まで知らなかった新しい世界を知ることができるのです。



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