今日から使える!豆知識・英語の月名の由来・起源

2021年6月14日

月名の説明

月の番号・和風月名・英語の呼び方、英語の由来

順番和風月名英語での呼び方(省略)英語の由来
1睦月January (Jan.)Janusヤヌス(神)から
2如月February (Feb.)Februaフェブルア(祭)から
3弥生March (Mar.)Marsマルス(神)から
4卯月April (Apr.)Aphroditeアフロディテ(神)から
5皐月May (May)Mayaマイヤ(神)から
6水無月June (Jun.)Junoユノ(神)から
7文月July (Jul.)Juliusジュリアス(人名)から
8葉月August (Aug.)Augustusアウグストゥス(人名)から
9長月September (Sep.)semtem(ラテン語の7)から
10神無月October (Oct.)octo(ラテン語の8)から
11霜月November (Nov.)novem(ラテン語の9)から
12師走December (Dec.)decem(ラテン語の10)

月名の由来は1月から8月まではローマの神様や有名な人物、9月からは数字

一年の始まりを表すJanuaryには過去と未来を見つめる時間の神

一月の由来となっているJanusヤヌスはローマ神話の始まり、区切り、移行や時間などを司る神様です。
 
ひとつの頭部に顔がふたつあり、ひとつは未来、ひとつは過去を見つめています。始まりを司る神であるため一年の始まりである一月の神とされています。

時間・木星を司る天空神ヤヌス
木星を司る神様でもあったため、ローマ神話の天空神である主神ユピテル、ギリシャ神話の主神でもあるゼウスと同一視されることもあります。なお、ユピテルは英語表記するとJupiter(ジュピター)になります。Jupiterの妻はJunoだとされています。

浄化そして死と再生の月February

二月の由来になっているのはfebruaという浄化の儀式から来ています。

二月は初期のローマ歴では最後の月とされていました。そのため新しい年を迎えるにあたって一年の穢れを浄化する祭りだとして行われたものです。

発音として注意することはrを発音しない人が多い!

儀式以外に死と再生を司る神フェブラウス
神様としては古代に浄化の神としてFebruusフェブラウスという富と死そして熱を司る神様がいます。病気には熱や死というものが関連付いています。そして熱は病気を治すものでもあります。そのため浄化と死という矛盾するものに関連付けられているのでしょう。

始まりを表す月March

三月の名前の由来となっているのはローマ神話の軍神Marsマルスです。ローマの初期には三月は一年の初めの月でした。また冬季に中断された軍事作戦を開始する時期でもありました。そのため戦いの勝利を願って戦いの神の名前が付けられたのでしょう。

火星と戦争を司る神マルス
古代の重要な事柄であった戦争。その戦争を司る神マルスの名前は惑星である火星の名前にも付けられています。スペイン語では火曜日の呼び方もこのマルスから取られて付けられています。

芽吹きや新緑の季節April

四月は日本の旧暦では夏の始まりを示す月でもあります。古い西欧の文化では芽吹きの時期であったのでしょう。四月の由来はラテン語のaperio「芽吹く(開く)」という単語から来ています。また、似た名前の神としてはギリシャ神話の美と愛の女神Aphroditeアフロディテがいます

美と愛を司る神アフロディテ
アフロディテという名前は日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、ローマ神話ではVenusヴィーナスとして知られています。「ヴィーナスの誕生」の絵画などで知られるこの神様は美や愛、母性などの象徴であり、男性を表すマルスとは対極の神です。Venusは惑星の金星の名前の由来になったことでも知られています。

草木の芽吹く豊穣の季節May

トトロでもおなじみのサツキとメイ。その名前の由来はおそらく日本語と英語の五月から来ているのでしょう。由来となっている神の名前はローマ神話のMaiaマイヤだと言われています
またラテン語のmaiores、英語にするとeldersという単語から来ていると考えられているため、この月が年配の方を敬う月であったと考えられていたのかもしれません。

プレアデス(昴)七姉妹の長女・豊穣の女神マイヤ
マイヤはギリシャ神話ではゼウスの妻でありヘルメスの母でもあります。アトラスと呼ばれる巨人の娘の長女。春を告げる繁殖や豊穣の女神でもあります。そのため春の盛りである五月がマイヤの月であると考えられたのでしょう。
ローマ神話では火と鍛冶の神ヴォルカンの妻とされています。

結婚や月に関係のあるJune

六月はジューンブライドという言葉でもおなじみです。六月に結婚した花嫁は幸せになれるという風習が古くからの欧米の風習でありました。その由来となっているのはローマ神話のJunoユノです。

女性に関係の深い結婚や月を司るユノ
ローマ神話の主神ユピテルの妻であり、土曜の名前の由来となっているサトルゥヌスの娘でもあります。この女神は主に結婚と出産の神様でもあります。そのためユノの祝福のある六月に結婚するとその結婚はうまくいくと考えられたのです。
また女性の守護神であるため月と関係があるとも考えられています。実はJunoはラテン語ではユーノーと発音されますが、フランス語ではJunonジュノンと発音されます。

ローマの有名な政治家の誕生日からきたJuly

もともと七月は五月でした。何を言っているのかよくわかないかもしれませんが、一年のスタートはMartius(のちのMarch)で終わりがFebruarius(のちのFebruary)だったのです。そこから数えてみるとJulyは五番目の月になります。

実は古くは、七月はQuintrills(五月)と呼ばれていました。Quintというのは五のことです。音楽でも五人組で演奏する人たちのことをQuitet(クインテット)と言います。昔NHKの教育テレビでも「クインテット」という五人組の人形の音楽番組がやっていました。

話はそれましたが、Julyというのは人の名前です。紀元前のローマの政治家でもあり、軍人でもあるジュリアス・シーザー(ガイウス・ユリウス・カエサル)の名前からとられています。彼は亡くなる少し前の年にユリウス暦という暦を作っています。この暦はヨーロッパでは非常に一般的なものであり、16世紀までこの暦が利用されました。

様々なセリフが今にものこるユリウス・カエサル
シェイクスピアの戯曲でも有名な「ジュリアス・シーザー」は「ブルータス、お前もか」などのさまざまな印象的なセリフでも知られています。
 
「賽は投げられた」「来た、見た、勝った」など印象的なセリフを残しているユリウス・カエサル。
 
弁舌がたち、多くの窮地をその卓越した知力と話術で切り抜けていきました。そしてローマの政治家の中でもめきめきと頭角を現していき最終的にはその頂点に立ちます。しかし、最後は暗殺されその際に「ブルータス、お前もか」というセリフを残したといわれています。

七月の甥ローマ帝国の@初代皇帝August

七月のところでも書いたように八月は六番目の月でした。そのためSextills(六月)という名前がついていました。しかしJulyと同じように人の名前によって上書きされました。Augustという綴りをそのままローマ字読みしてみるとその人物の名前が分かります。

八月が六番目の月という名称ではなく、Augustなのは七月の名称の由来になっているユリウス・カエサルの甥でもあり、最初のローマ皇帝でもあるAugustus Caesarアウグストゥス・シーザー(アウグストゥス・カエサル)を称えるために名称がのちに変更されたからだそうです。

他の多くの初代○○とは違い慎重な性格の初代皇帝
叔父のユリウス・カエサルが感情的で物事を正面から打ち崩していく創始者的な活動家であったのに対して、アウグストゥス・カエサルは慎重な性格でした。直線的に物事を解決するのではなく、ひとつひとつ物事を積み上げるような性格だったと言われています。ユリウスが破壊的に物事を進めていくのに対してアウグストゥスは建設的に物事を進めていったのでしょう。
 
またユリウスのように暗殺されることや自分に権力が集中しすぎて恨みを買うことなどを常に恐れ、市民の第一人者であることを望みました。
 
また容姿も端麗で誰からも好まれる人間であったとされています。叔父とは違い暗殺されることなく生涯を過ごしています。外見、性格、物事の取り組み方などすべてがユリウスの対極であるような描写が多くの歴史書でされています。

七番目の月がふたつずれてSeptemberに

SeptemberのSeptemというのは「7」を表しています。ほかにSeptemが付くものとして夜空の北斗七星があります。冬の夜空で星座を探すのに使われる北斗七星は英語ではthe Big Dipper(大きなひしゃく)と言います。一方英語のもとになっているラテン語ではSeptemtrionesと言います。Sevenとseptem少し音や綴りが似ています。

もともとは八月October

OctoberのOctoも同様にラテン語の数字の「8」から来ています。日本人にとってなじみがあるのはOctopusです。Octoは「8」pusは「足」を意味しているためOctopusで八本足のタコなのです。

9月+2=11月 November

ここまでくるとパターンでわかると思いますが、Novemberのnovemも同様にラテン語の数字「9」から来ています。特に日本人になじみのある単語はありませんが、英語の数字のnineとnovemが微妙に似ています。

decは10に関するものが多い December

一年の最後を締めくくる12月は10月です。10はラテン語でdeca(デカ)と言います。いろいろなものに着けて単位を表すものとして1000のkiloキロ、100のヘクト、10のdecaデカ、10分の1のdeciデシ、100分の1のcentiセンチ、1000分の1のmilliミリがあります。またのちのち習うことになる単語として、decahedron(十面体)、decade(十年間)、decathlon(十種競技)などがあります。

特にdecadeは普通に使うことのある単語です。また仮面ライダーにもディケイドがいますが、これは平成ライダーの10年目の作品であることから来ています。

ラテン語などの数字に関する興味がある場合には合わせてこちらの記事も読んでみてください。

英語の月は番号ではなく名前を覚えなければいけない

覚えるためには繰り返しの学習も必要! 繰り返し学習するためには下記の記事をブックマークして何度も挑戦してみよう! !

現在の日本の暦では一番目の月を一月、二番目の月を二月という風に、「数字+月」という形で表現しています。
日本もかつて和風月名が使われていました。それぞれの月に別々の名前が付けられていたのです。しかし、現在では日常的に和名を使うことはほとんどありません。

似たように数字で暦を表している国として中国があります。中国は最近曜日も同様に数字を使って「星期天、星期一~星期六」という風に「天と一から六」で表現されています。これは日本語や中国語には単位を表す「助数詞」というものが一般的に使われるからです。

しかし、一方で英語にはこうした単位を表す「助数詞」が使われたり使われなかったりします。そのため、英語の月名は日本の和風月名のように個別の名前が決められています。

まとめ

単純に月の順番、そして呼び方を覚えるだけなのであれば、有名な歌があるのでそちらを参考にしてみたほうが簡単でしょう。しかし、日本の月名がその裏側に由来となった事柄があるのと同じように、英語の月名にももともとの意味があるのです。そうしたものを知っておく、単純に覚えるにしてもより深みや面白みが出るはずです。

つづりを覚えたいという場合には下の記事もどうぞ、 「つづりも知識も完璧!」という人は下の4択問題にも挑戦してみよう!

ご意見・ご要望・間違いの指摘等ございましたら、該当ページの下のディスカッション欄にお願いします。

特にご要望はお待ちしております。