Time flies like an arrow.(光陰矢の如し)

2021年5月1日

矢

Time flies like an arrow.

光陰矢の如し

第一文型
主語:time
動詞:flies
修飾句:like an arrow

そもそもの日本語「光陰矢の如し」の光陰というのは時間という意味です。光が日時を、陰が年月を指しています。
起源は不明ですが、古くは平安時代には似たような表現が古今和歌集に残っているそうです。

品詞が違うと意味が変わる ~likeとflyを誤訳すると~

英語の授業で紹介しやすい格言である理由はひとつ。文型の取り方を教えるのに最適な文だからです。

昔の笑い話として、インターネットでこの文を翻訳したときのものがあります。インターネットでこの文章を入れて翻訳すると「時間ハエは矢が好きです」と翻訳される、というものです。

likeの品詞の違う二つの意味、動詞と前置詞

likeには二つの意味があります。ひとつはだれもが知っている「動詞:~が好き、~を好む」という意味です。
もうひとつは「前置詞:~のように、~に似て」という意味があります。

動詞としてlikeを使ったときの例文

I like her very much.
(わたしは彼女がとても好き)
I quite like my new house.
(わたしは新居をすっかり気に入っている)

他に動詞がないときはlikeは動詞として扱い「好き」という意味で扱います。

前置詞としてlikeを使ったときの例文

Her eyes look very much like yours.
(彼女の眼は君の眼にとても似ている)
He slept like a log.
(彼は丸太のように眠った=彼は死んだようにぐっすり眠った)

例文の上の場合はlook、下の場合にはsleptという別の動詞があります。他の動詞が同一の文中にあるときは(特別な場合を除いて)前置詞としてlikeを訳します。

中学一年生がよくする間違い

「彼は野球が好き」という英文を書かすと、1クラスに1人か2人は次のように書くことがありました。
He is like baseball.

この場合、他の動詞(is)があるため、likeが前置詞(似ている)になってしまいます。
この勘違いは、一般動詞の文とbe動詞の文を分けるということを理解していないことからしてしまう間違いです。
正しくは、
He likes baseball.

名詞も動詞もあるfly

この文章を訳すうえでのもう一つの罠はflyです。
flyもlikeと同じように二種類の品詞にそれぞれの意味があります。
「動詞のfly:飛ぶ」
「名詞のfly:ハエ」

そうするとさっきの文は2か所で二種類の品詞を持つ単語があることになってしまいます。
主部が「time」だけだと考えた場合は、「fly」が「飛ぶ」という動詞になり、それに付随して「like」が前置詞の「~のように」と訳されます。
Time flies like an arrow.
(時間は矢のように飛ぶ)

しかし、主語が「time flies」の「時間ハエ」までだと考えられてしまった場合には「fly」が名詞の扱いされているので、「like」は動詞の「~が好き」だと認識されてしまうのです。
Time flies like an arrow.
(時間ハエは矢が好き)

そもそも「時間ハエ」ってなんぞや、という話ですので、普通に訳したときに誤訳をすることはないでしょう。
しかし、「機械的に英語を訳してしまうと、わけのわからない文章になってしまうよ」というひとつの訓戒として、また「インターネット翻訳を過信しすぎるとこうなるから、きちんと英語は勉強したほうがいいよ」という動機付けとして昔よく使われた逸話です。

まとめ

30年後がどうなっているかはわかりませんが、現在でも英語と日本語の翻訳を機械で全て完璧に行うことは不可能です。
もちろんTime flies like an arrow.はインターネットで翻訳すると「時間は矢のように飛ぶ(成句:光陰矢の如し)」ときちんと翻訳してくれます。

時間というのは、同じように流れているはずなのに後から見るとあっという間に過ぎているものです。そのため、ほとんどの人があの時こうしていれば、と後悔してしまうのです。
社会人になってから「もっと学生のときに英語を勉強しておけば」と後悔する人もいます。しかし、そんな後悔してもしょうがない、英語が必要なら今すぐ、そしてコツコツやっていくしかないのです。
Time flies like an arrow! いつかと言わず、いますぐ英語の学習を始めましょう!



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