A watched pot never boils.(見つめる鍋は煮えない)

2020年12月1日

煮えている鍋

A watched pot never boils.
Benjamin Franklin

見つめる鍋は煮えない
ベンジャミンフランクリン

第一文型
主語:a watched pot
動詞:never boils

このことわざは、主観的な時間の経過に対する感覚を詩的に表現した格言です。この格言の起源はベンジャミン・フランクリンの著書が最初だといわれています。

鍋に張った水を火にかけて沸騰させるのに、その鍋を見ていた方が早く水が沸騰するのか、それとも放っておいた方が早く沸騰するのかということがこの格言の趣旨です。
実際のことを考えるのであれば、水は見つめていようが見つめていまいが沸騰するまでにかかる時間は変わりません。ここで主題となっているのは「時間が長く感じるか」「時間が短く感じるか」ということなのです
もちろんほとんどの人が体験したことがあるように、鍋を見つめていると沸騰するまでにかかる時間は非常に長く感じます。

過去形と同じ形が多い過去分詞形

英語初心者が困ることのひとつとして分詞の扱いがあります。
この文の場合、動詞はboils、接続詞がないため、watchedは動詞ではなく過去分詞扱いになります。

分詞を利用する際に注意してほしいのは、その主体となるもの(今回の場合はpot)と動詞の関係です。

~ing(現在分詞)の場合、
修飾される語(pot) 分詞になる語(~ing) の関係が
修飾される語が ~する

という関係になります。

~ed(過去分詞)の場合、
修飾される語(pot) 分詞になる語(~ed) の関係が
何かが ~する 修飾される語 の関係になります。

単純に「~している」を分詞にすると~ingになると覚えてしまうと、間違えて
A watching pot never boils.
と書いてしまいます。
これは非常に大きな間違いです。

ここでwatched potがなぜwatching potではないのかを考えてみましょう。

a watching pot の場合

主語動作目的語
a potwatch何か

となります。つまり、a watching potにしてしまった場合、鍋に目があり何かを見張っていることになるのです。

a watched pot の場合

主語動作目的語
何かwatcha pot

となります。そのためa watched potは何かに見張られている鍋になります。

強い否定never

neverは単体で強い否定「決して~ない」という表現になります。
be動詞や助動詞などとともに使用するときにはnotの場所に代わりに置くことができます。Do, does, did などと使うときにはdo系を省略してneverだけを用います。Never boilsという形でdoes not boilのとても強い表現になっています。

まとめ ~鍋を見つめているなと感じるときに~

見つめる鍋が煮えない体験はだれしもしたことがあると思います。面白くないと感じている学校の授業をぼーっと聞いているとき、全く興味のない上司の話に付き合わされているときは非常に時間が長く、時間が流れるのが遅く感じるはずです。

そんなときに時計を見て、あと○分などと思い、そのままじっと時計の針を見つめると時間の進みが思っているよりも遅く感じるはずです。時間の進み方というのは、物事を主体的に進めたほうが早く感じます。

やらされているとき、相手が勝手にやっていて自分の頭が働いていないときというのは、時間の流れはゆっくりに感じられます。しかし客観的に見てみた場合、両者に流れている時間の流れというのは一緒です。

片方が同じ時間の中でてきぱきと動き早い時間の進みを感じているのか、だらだらして無為な時間を過ごしているのかによって充実度や効率などは変わってきます。毎日の生活の中で時間の流れがゆっくりに感じられることがあるのであれば、その時間は非常に勿体ない時間になっている可能性があります。また、仕事や勉強などの時間テーブルの中にそうしたゆっくりの時間がある場合には効率や集中力、精神的な充実などの面で非常に問題です。

そうした時間があるのであれば、一度どうしてそうなっているのか見直しをして、時間の流れの改善をすべきです。また、試験の結果や仕事の成果などをずっと待っているとなかなか結果はやってきません。気になるのはわかりますが、終わったものはきちんと分析して、必要のない情報は忘れて次に進んでしまった方がいいことがよくあります。

また、長期にわたる作業の場合、結果を常々見てしまい、成果が挙がらないため諦めてしまうこともあるでしょう。

やったことに対して成果があれば続けることは簡単なのですが、そうでない場合には、やってもやらなくても変わらないと判断して諦めてしまうことがあります。大切なのは、継続すること。
継続するためには
自分の中で

  • 習慣化すること
  • 気長に行うこと
  • できれば成果を自分で観測すること

他人に

    • 認めてもらうこと
    • 継続する協力をしてもらうこと
    • 客観的に観測してもらうこと

が大切です。見つめる鍋は煮えません、日常生活が沸騰しない鍋にならないように、そして成果が出るまで鍋を観測しすぎないように心がけることがこの格言の伝えてくれようとしてるないようではないでしょうか。



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