a/anとoneの違い
a/anもoneもどちらも日本語で「1」を意味します。
しかし、その意味合いは一緒ではありません。oneには「たったひとつであり、2以上ではない」という意味があります。a/anにはそうした意味がありません。
また、「a/an」はその直後にある名詞自身に重点が置かれるのに対して、「one」は1つであるという事実に重点が置かれます。
1.a/anを使うかoneを使うかによって意味が変わるケース
1. I would like to have a cup of tea.
2. I would like to have one cup of tea.
この両方の文は日本語で、
「一杯コーヒーが飲みたい」と訳されます。
しかし、2.の文は「一杯だけ」で二杯目は要らないと暗に言っているのに対して、1.の文にはそうした意味合いはありません。
1. There is a dog in the building.
2. There is one dog in the building.
こちらも同様に、
「建物の中に犬が一匹いる」と訳されます。
下の文がその建物にいるのは一匹だけで他にはいない、という意味があるのに対して、上の文は犬が一匹いたことは言っていますが他の犬がいるかどうかに関しては言及していません。
1. A shotgun is no good.
2. One shotgun is no good.
こちらの場合には明確に違いが発生します。上の文がショットガン全体、もしくはそのショットガンの種類が良くない、と言っているのに対して、
下の文はショットガンがひとつであることが良くないと言っています。下の文の場合には「もっとたくさんショットガンが必要だ」ということを言っています。
2. a/anとoneの置き換えができないケース
2-1単位のa/an
単位を表現するa/anの場合oneに置き換えることができません。そのようなケースの場合にはperと置き換えることができます。「冠詞2-6.価格や、速さ、割合の単位を作り出すとき」参考
$2 a meter (1メートルあたり2ドル)
〇 two dollars a meter = two dollars per meter
× two dollars one meter
2-2 特別な使い方をするone
oneには数字としての役割以外に、「ある~」という形容詞や代名詞の役割があります。
2-2-1 another/others/the othersとセットで使うone
この場合のoneは「ある~」、anotherは「別の~」という意味で使われます。
One student was smiling at the news, another(/others) was(/were) crying.
一人の生徒はその知らせを聞いて笑顔になった、別の生徒(たち)は泣いていた。
One day he said he never hated sushi. Another day he said he loved sushi.
ある日彼は寿司は大っ嫌いだと言っていた、別の日彼は寿司が大好きだと言っていた。
2-2-2 時間を表す単語の前に付けるone
oneは時間を表す名詞(day, week, month, year, summer, nightなど)の前に付けて、何かが起こった特定の時間を表現することがあります。
One night there was a terrible storm.
ある夜、恐ろしいほどの嵐が来ていた。
One winter the snow fell late.
ある冬、雪の降り始めが遅かった。
One day the e-mail arrived.
ある日、そのEメールが届いた。
2-2-3 いつの日かを表すone day
前項のうち、one dayは、過去のことではなく未来の「いつの日か」を表現することもあります。
One day you’ll regret you said such a thing.
= Some day you’ll regret you said such a thing.
いつの日か、あなたはそんなことを言ってしまったことを後悔するだろう。
2-3 aを含めた名詞を書き換えた代名詞のone
oneには代名詞としての使い方があります。この場合、「a+名詞」を置き換えたものとして扱います。こうした使い方のoneは複数形にするとsomeになります。
Did you get a ticket?
-Yes, I managed to get one.
チケットはもう手に入れたか?
―ええ、手に入るように手配しました。
Did you get tickets?
-Yes, I managed to get some.
これをtheにすると少し意味合いが変わってきます。
Did you get the ticket?
-Yes, I managed to get it.
(例のあの)チケットはもう手に入れたか?
―ええ、それが手に入るように手配しました。
と、なって以前話のあった特定のチケットのことになります。
こうしたoneの使い方はさまざまな場所で見ることができます。
有名なSF映画『マトリックス』の中では「the one」を「救世主(まさにその人)」という形で表現しています。この場合のoneは「人」という意味です。
『世界に一つだけの花』の歌詞には「『ナンバーワン』にならなくてもいい、もともと特別な『オンリーワン』」というフレーズがあります。
「number one」のoneは「一番」の「1」ですが「only one」のoneは「(この世に一人しかいない)ひと」意味で使われています。
3.置き換えが可能なa/anとone
距離や重さなど単純に数を表現する場合にはaとoneどちらを使うことができます。
1㎏ = a kilogram もしくは one kilogram
¥1,000,000 = a million yen もしくは one million yen
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