助動詞が苦手という人は助動詞を表で覚えよう!(中学生向け英文法)
中学で習う助動詞。
意味にさまざまなものがあるため、どれがどれか分からなくなってしまうという人も多いはず。
特に依頼や提案、許可などの疑問文の場合には混ざってしまいがちです。
ここでは表にすっきりとまとめることで助動詞を頭にすっきりと入れていきます。
「中学生が覚えるべき助動詞」の表
※ 表が画面からはみ出ている場合には左右にスライドすることができます。
助動詞 | 過去形/丁寧 | パーセンテージ | 意味 | 書き換え | 注意事項 |
must | (なし) | 90% | ~しなければならない (~に違いない) | have to ~ | mustを過去にするときはhad to |
shall | should | 80% | ~するべきだ ~した方がいい | ought to ~ | 肯定文はshallはあまり使わない |
will | would | 70% | ~するつもりだ ~するだろう | be going to ~ | 近い未来は現在進行形でも代用可 |
can | could | 60% | ~することができる (~な可能性がある) | be able to ~ | 疑問文にすると提案の意味もある |
may | might | 50% | ~してもいい ~かもしれない | なし | なし |
助動詞を使った依頼の疑問文の表
※ 表が画面からはみ出ている場合には左右にスライドすることができます。
得する人 | |||
わたし | あなた | ||
行動する人 | I(わたし) | May I ~? (~してもいいですか?) | Shall I ~? (~しましょうか?) |
you(あなた) | Would you ~? Could you ~? Will you ~? (~してくれませんか?) | Why don’t you ~? (~したらどうですか?) |
助動詞がその文に含まれている場合、その文の動詞は原型になります。
※ Ifやwhenなどの文を取る副詞節などがある場合にはそれぞれ別の文と考える。that節や関係代名詞などがある場合にも別で考える。
助動詞を使った文の基本
英語の助動詞はどのような役割をするのか
助動詞には話者の感情が含まれています。また助動詞の書き換えをしたものに関しては客観的な判断が含まれています。
まず、助動詞がどういったものなのかということを考えるために、助動詞を使わない文と助動詞を使った文を比較して見ましょう。
I study English.
わたしは英語を勉強する(/している)。
この場合は、「勉強している」ことは「現在の習慣」で、(わたしが嘘をついていないなければ)「100%英語を勉強している」ことになります。
I must study English.
わたしは英語を勉強しなければならない。
この場合は、「自分自身でしなくちゃいけない」と判断しています。現行まだ勉強しているわけではありませんが、自分でしなくちゃいけないと判断している以上、よほどのことがない限り近い未来に100%に近い確率で「英語を勉強するに違いない」のです。
I will study English.
わたしは英語を勉強するつもりだ。
この場合は、「やる!」という意思はあります。本人が自分で「やるぞ!」と思っている以上これも近い未来に50%以上の確率で「英語を勉強するでしょう」。
このように実は何も助動詞が付いていない状態は断定しているのに対して、助動詞はそれに自身の考えや気持ちなどが含まれています。あくまで気持ちや考えなので100%そうであるわけではないのです。
助動詞を覚える際にはそれぞれの強さや%がどれくらいだったかということを意識すると単純に意味を覚えるよりも覚えやすいでしょう。
助動詞が付いた動詞は原形
助動詞の使われた文のかたまりの中では動詞は原形になります。
このルールは三単現のSのルールよりも優先されます。
He studies English.
He must study English.
また、疑問文や否定文にしても助動詞があると動詞が原形になるというルールは変わりません。
He does not study English.
He must not study English.
Does he study English?
Must he study English?
こうして一般動詞の否定文・疑問文と助動詞の否定文・疑問文を見比べてみると、その他の部分が一緒だということに気が付くはずです。
実は今まで何気無く使っていた、疑問文や否定文を作るための「do / does / did」は全て助動詞なのです。
What do you do?
What can you do?
という文を見たときに 部分が助動詞、 部分が動詞と考えるとわかりやすいはずです。
また中学生で学ぶことはほとんどありませんが以下のように表現することもできます。
He studied English.
He did study English.
「やった」ということを強調するためにわざわざstudiedをdidとstudyに分けて表現するのです。
この強調の表現と助動詞を使った文を比較すると非常に納得がいくでしょう。
He did study English.
He must study English.
なお、こうした強調の表現は学校のテストなどで書いた場合、不正解とされることが多いので注意しましょう。
助動詞のmust
mustとhave toの違い
mustは主観的に「~に違いない」と判断した場合、もしくは「~するはずだ/しなければならない」と自分が判断したときに使います。
他人に対してmustを使う場合も自己判断の意味合いが出てくるので、
You must study English. と言った場合、「あなたは英語を勉強しなければならない(とわたしは強く思っている)」という意味になり、
Study English. 「英語を勉強しなさい」という命令文とほぼ同じ意味合いになります。
一方have toの場合には客観的な意味合いが含まれていて「(普通に考えたら)~するはずだ/しなければならない」という意味になります。
こちらの場合客観になるぶん、意味合いとしてしてはいくらか柔らかくなってきます。
must notとdon’t have to の違い
must not ~ 「~してはいけない」
don’t have to ~ 「~しなくてもいい」
~しなければならない(100%しろ) ⇔ ~してはいけない(100%するな)
~しなければならない(100%しろ) ≠ ~しなくてもいい(100%しろっていってるわけじゃない)
肯定文のときに書いたようにmustには主観的なそして命令的な意味合いがあります。一方have toには客観的な意味合いがあります。
そのため、
must notは命令として「するな」
don’t have toは一般的な目線で「しないといけないわけじゃない」
という意味になります。
文法問題の書き換え問題では
must notはDon’tを使った命令文に、
don’t have to はdon’t need to に書き換えする問題が出題されます。
You must not swim here. (ここで泳いではいけません)
≒ Don’t swim here. (ここで泳ぐな)
You don’t have to get up so early. (そんなに早く起きなくてもいい)
≒ You don’t need to get up so early. (そんなに早く起きる必要はない)
助動詞のshall (should)
shallは通常の肯定文で使うには意味が強いため、普通は柔らかくしたshouldを文を使います。
またshallは会話型の文章の疑問文で、相手が得をするタイプの質問として使用します。
will (would)
willという単語には「意思」という意味の単語もあります。そのため、そこで決意を決めた場合にはwillを使います。「~するつもりだ」という未来の意味があるのもそのためです。
willとbe going toの違い
「willとbe going toは同じ未来を表すものなので一緒」と習った人もいるかもしれませんが、厳密には違いがあります。
基本的な考え方としてはmustとhave toと同じように話者の気持ちか客観的に見てという違いがあります。またwillとbe going to には別の違いがあります。
willは「まだ変化が起こっておらず、今から変化が始まる」「強い意志・確信がある」
be going toは「すでにそこに向かって変化が起こっている」
という違いです。
goという単語には変化するという意味があります。
例 go wrong (悪くなる)
そのため、このgo to「~に行く」ではなく「~している状態になる」という意味だと考えると良いでしょう。
I will buy the book. わたしはその本を買います。(今そう決めた)
I’m going to buy the book. わたしはその本を買います。(前々から買うつもりで近々買いに行きます)
A: I have nothing to do tonight. 「今夜はすることがないんだよね」
B: I’m going to watch the movie tonight. 「わたし今夜はあの映画見に行くんだよね」(今決めたわけではなく、前からそれを予定していた)
A: Oh, the movie? I’ll go to watch the movie together… 「えっ、あの映画? わたしも一緒に行こうかなぁ……」(今はじめてその映画に以降かどうか決めている)
助動詞のcan (could)
canは最初に習ったときと同じように基本的に「可能(~できる)」という意味を持った助動詞です。
それを利用して、疑問文の際には依頼や提案の意味を持ちます。
Can I read this book?
「この本を読むことができますか?」
=「この本を読んでもいいですか?」
Can I get you something to drink?
「飲み物をあなたにもってくることができますか?」
=「飲み物を持ってきましょうか?」
Can you help me?
「あなたはわたしを手伝うことができますか?」
=「わたしをてつだってくれますか?」
canとbe able toの違い
また、canはbe able toと書き換えが可能ですが、ニュアンスとしてはcanが可能性を表すのに対して、be able toは能力の有無を表します。
基本的にはcanを使い、助動詞がかぶったときや受け身のときなど助動詞としてcanを使えない状態のみbe able toを使うのが無難でしょう。
一方過去のcouldとwas/were able toの場合には状況が少し変わります。
was/were able toは「実際にやってみてできた」場合に使うのに対して、能力があった場合また五感を伴ってできたものに関してはcouldを使います。また否定文の場合にはcouldを使うことが好まれます。
日本語で考えた場合に、少し意味的にねじれが発生するので覚えるのが難しいですが、中学生の文法でこの違いを聞いてくることは少ないため、「違いがある、一般的にはcan/could、助動詞が使えないシチュエーションは書き換える」と覚えておくと良いでしょう。
助動詞のmay (might)
mayは助動詞の中でも最も弱いものです。弱いへりくだるというイメージがあれば、意味もある程度想像ができると思います。
It may rain today. 「今日は雨が降るかもしれない」(雨が降る可能性が弱い)
May I use your PC? 「あなたのパソコン使ってもいいですか?」(わたしの立場が弱い)
You may not get up so early. 「そんなに早く起きなくていい」(許可されてるあなたの立場の方が弱い)
助動詞の疑問文
助動詞の疑問文に関するものを学習しているとさまざまな英語のものと日本語訳があり、ごちゃまぜになってしまうことがあります。
まず最初に分けなければならないのは、
その助動詞の文が「肯定文の意味をそのまま疑問文にしたもの」(タイプA)なのか、
それとも「元の肯定文の意味とは関係なく提案をしたもの」(タイプB)なのか、ということです。
ごっちゃになってしまいがちなのは、後者の「提案を表す」(タイプB)です。
タイプBの提案を表すものには大きく分けて4種類があります。
「自分が行動する」「自分が得する」もの (~してもいいですか?)
「自分が行動する」「相手が得する」もの (~しましょうか?)
「相手が行動する」「自分が得する」もの (~してくれませんか?)
「相手が行動する」「相手が得する」もの (~したらどうですか?)
どれの場合も「行動する人」が主語になっています。
例えば「自分が行動する」して「自分が得する」ケースの英語は
May I ~? となっています。
同様に「自分が行動する」けれど「得するのが相手」のケースの英語は
Shall I ~? となっています。
英語の原則である、主語がその動作を行なうということに変わりはないので、日本語から「だれがその行動をするのか」ということを判断することが大切です。
例えば「~してもいいですか?」という日本語の場合、主語が誰かというのは書かれていません。しかし表現から行動をするのが自分であるということは分かるはずです。
また提案の文は相手に対してきつい言い方にならないよう、頻度の低いみっつ、may, can, willを使います。
基本的には覚えた表の頻度でなんとなくの順番を覚えるといいでしょう。
自分が行動する場合には頻度が低いもの(一番低いものはmay)
相手が行動する場合には頻度が高いもの(一番高いものはwill)
が最も丁寧な表現になります。また、その中でも過去形と同じ形にしたほうが丁寧な表現になると覚えておくと良いでしょう。
ご意見・ご要望・間違いの指摘等ございましたら、該当ページの下のディスカッション欄にお願いします。
特にご要望はお待ちしております。